ポールポジション

実機について 1982年登場。ナムコ初の3D視点レースゲームである。
筐体にはF1マシンを操作するステアリングホイールと、足元にはブレーキ・アクセルペダルがある。
座席の左にはシフトギアがあり、スタート時やクラッシュ直後の立ち上がり等でHIとLOWを使い分ける。

レースの舞台は実在のサーキット「富士スピードウェイ」。
まず予選としてコース1周を走行してラップタイムを測定し、規定タイム内にゴールする事を目指す。
ラップタイムが規定に到達してない場合は決勝に進めず、残りタイムを失った時点でゲームオーバー。
予選を通過すると続いて決勝へ進出。ラップタイムに応じたスタート位置からレース開始。
ライバルのマシンが多数走行する中、コースを4周し完走を目指す(通常設定時)。
なお、コース上には通過すると速度が落ちる水溜りや、接触するとクラッシュする看板が立てられている。
更にライバルのF1マシンに接触しただけでもクラッシュする。
これら障害物への接触は重大なタイムロスに繋がるので、的確なアクセルワークやブレーキング、
安全なコーナリングを心掛けなければならない。

「モナコGP(セガ)」等、コクピット型筐体のレースゲームは既に存在していたが、
それらの殆どが縦スクロールの俯瞰画面で、非常に立体感が乏しいグラフィックであった。
このゲームでは擬似3Dの採用・グラフィック・効果音の進化に留まらず、F1マシンの重量・空気抵抗・トルク特性など、
実際のF1マシンに基づいたデータが入力されており、ドリフト走行は勿論「タックイン」「ラウダ走法」「ロイテマン走法」など、
実際の走行テクニックに近い挙動を取る事も可能となっている。
この革命的なゲームの登場は、それ以降に発売された他社のレースゲームに多大な影響を及ぼしている。
約一年後にバージョンアップ版として「ポールポジションII」が登場したため、初代の稼動は長くなかった。
(下記参照)

120インチプロジェクターを採用した大型筐体「ワイド・ポールポジション」も試作されている。

人が内部に乗り込む大型筐体ではあるが、可動部分が無いために意外とコンパクトで尚且つ汎用性も高く、
他社のレースゲームにも活用された他、同社からも擬似3Dシューティングゲーム「サンダーセプター」に流用された。

作品について 同一筐体の「サンダーセプター」と共に製作しました。
「ポールポジション」筐体はホントは1台だけの予定だったんですが、この記事の下にある派生レースゲームも
再現したかったので「ポールポジションII」も製作しました。筐体イラスト・モニターはパンフレットから。
下記のネタを含めて、かなり手抜きな作品になっちゃいましたが…

戯言 実機解説にあるように、当時は縦スクロールで2D俯瞰画面が多かったレースゲームに新風を吹き込んだ作品ですね。
他社の業務用レースゲームのみならず、ファミコンの「F-1レース」の開発にも影響を与えたとか…
作者の初プレイは地元・西成区役所前にあったゲームセンターでした。
しかし導入が遅れていたのか、この時は既に「II」に入れ替わっていました。
後の「ナムコミュージアム」版もそうですが、高速でコーナーに突っ込むと簡単にテールスライドしてしまうマシンの特性のお陰で、
看板や敵車に衝突してクラッシュしたり、まともにゴールした事がありません…

ポールポジションII

実機について 1983年登場。上記の「ポールポジション」のアッパーバージョン。
基本的なルールは同じだが、コースが前回のFUJIに3種類(SUZUKA・TEST・SEA SIDE)を追加。
マシンの性能が上がったために操作感覚も若干異なる。
効果音などの演出面も強化されており、マシンの爆発も激しいグラフィックになっている。


KONAMI RF2(レッドファイター2)

実機について 1985年登場。「ポールポジション」筐体を流用したレースゲーム。
「ポールポジション」と異なり完全なコクピット視点で、メーター類もリアルに再現されている。
製作はコナミだが販売はナムコという、非常に珍しい体勢を取っている。

コナミのレースゲーム「ロードファイター」の実質的な続編に当たる作品で、
燃料補給アイテムの存在などに、その片鱗が見て取れる。

戯言 資料を漁っていたら偶然発見しました。
ミニチュアは「ポールポジション」にロゴステッカーを貼り付けただけという、ある意味実物通りに再現しました(笑)
ゲーム内容は兎も角、あのライバル会社同士がコラボレーションしてたとは驚きです…
当時は本当に大らかな時代だったんですねぇ。

おまけ

せっかく「サンダーセプター」と共に3台も作ったので、ズラッと並べてみましたよ(笑)
横着して筐体上部の看板を省略したので、ちょっと寂しい姿ですが…
実際に「ポールポジション」と「サンダーセプター」両方置いてある店って、国内に残ってるのかなぁ?

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